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湖が見える手前
どこからか心魅せられる歌声
それは詩人が歌うような愛の詩…
湖にたどり着くと娘は動けないでいた
瞳に映る光景全てが芸術
森に囲まれた湖の真ん中で
妖しく歌うは人魚
腰まで伸びる髪の毛
蒼白く月明かりと中和して輝く素肌
その背中にはコウモリの様な翼が生えていた
有名な画家が描いたような光景に釘づけになっていると
不意に人魚が詩を止め
娘を手招きする
「勇気ある人間の娘。
食べたりしないからもっと側に」
娘は一瞬ためらい驚いたが
何故だか安心と信頼を与える声
娘と人魚の距離は大分あるのに
ハッキリと声は届いた
娘が湖の淵まで近づくと
人魚も泳いで一瞬のうちに
娘の目の前へ
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