夜空

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「ねぇ」 少し風がある夜。 晴れとも曇りとも取れない空を見上げながら、彼女は呟いた。 「風が雲をさらって行くのかね。それとも風が雲を運んで来るのかね」 絶えず動き続ける雲の切れ端を見つめ、公園のベンチで足をぶらぶらさせている。 両方じゃないの? そう俺が言おうと口を開きかけた時、 「あ、流れ星」 俺が空に目を向けた時には、その小さな星は何処かへ消えていた。
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