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母がぶるっと身震いした。
顔を真っ赤にして表情を歪ませる。
今にも泣き出しそうな顔だった。
頬をわなわな震わせている。
「母さん、どうかした?」
直後に、ちょろちょろと水音が響く。
床に小さな水溜りができていた。
水溜りの輪は徐々に大きくなり、衛藤の足元まで広がった。
衛藤は後ずさる。
アンモニア臭がした。
──失禁だ……
母が漏らしていた。
失禁しながら恍惚の表情を浮べている。
か、母さん……?
衛藤はまるっきり放心状態になった。
目の前でおこったことが信じられない。
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