1.異世界

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『汝、主ノ源ノ力ナラバ』 どこから声がするかさえも、分からない。 『己ノ力ヲ授ケヨウ』 今度は、耳鳴りと頭痛が同時に襲ってきた。 そして、自分の中に溢れ出すエネルギーのようなものが、入ってくるのを感じた。 「……っ!?」 痛い、痛い、 イタイ、イタイ――――。 その体内に入り込むモノの背負っている重さを感じる。 また私は立ってはいられなくなり、かくんと膝を曲げ手をついた。 「魔力の持ち主が現在、黒の森にいる」 場面は変わり、少女一人と少年一人。 その凛とした少女の言葉に反応して、一人の少年は窓から視線を外して彼女の方を向き、言葉を発する。 「もしかして、白魔術使い……じゃねぇよな」 「残念ながら」 少女は冷静な音で言った。 「やっとか……行くか 祭李姉 きっと俺等の主だ 白だったらあの森は危険だしな」 すると、彼女の視点は机から彼へ変えた。 そして少し妖艶に微笑みながら口を開ける。 「ええ、当たり前よ……虎太郎」
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