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『汝、主ノ源ノ力ナラバ』
どこから声がするかさえも、分からない。
『己ノ力ヲ授ケヨウ』
今度は、耳鳴りと頭痛が同時に襲ってきた。
そして、自分の中に溢れ出すエネルギーのようなものが、入ってくるのを感じた。
「……っ!?」
痛い、痛い、
イタイ、イタイ――――。
その体内に入り込むモノの背負っている重さを感じる。
また私は立ってはいられなくなり、かくんと膝を曲げ手をついた。
「魔力の持ち主が現在、黒の森にいる」
場面は変わり、少女一人と少年一人。
その凛とした少女の言葉に反応して、一人の少年は窓から視線を外して彼女の方を向き、言葉を発する。
「もしかして、白魔術使い……じゃねぇよな」
「残念ながら」
少女は冷静な音で言った。
「やっとか……行くか 祭李姉 きっと俺等の主だ 白だったらあの森は危険だしな」
すると、彼女の視点は机から彼へ変えた。
そして少し妖艶に微笑みながら口を開ける。
「ええ、当たり前よ……虎太郎」
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