第九話 「変化」

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「親しい友人じゃなくて、微妙な関係だよ。恭也は他校の奴なんだ」 「そうか……ま、いいんだが。安心したよ。いつも一人でいた椎名が友人と呼べる人がいたからな」 「単に腐れ縁みたいな仲だよ。鳴海先生」 鳴海と呼ばれた教師は、椎名に対し、柔らかい笑みを向けた後に口を開いた。 「それを友人と呼ぶんだろう?俺にもいるからな、腐れ縁みたいな友人がさ」 鳴海は屈託無く笑う。その様子が同い年の少年の様で椎名は、何故、彼が生徒に人気があるか分かった気がした。 「もっと授業に顔を見せてくれよ。ホームルームには来てくれる様になったんだからな」 それだけ椎名に伝えると、鳴海は、書類を抱えて図書室を出ていった。 前に職員室に行った時に、鳴海のデスクに彼の学生時代と思われる写真があるのを思い出した。四人組の少年が笑顔を浮かべる写真をだ。
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