プロローグ

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8月2日 午前05:25分 「いぎゃああああ!!」 大きな悲鳴が、LEVEL9の第二連絡通路に響いた。 悲鳴の元は、アルドルの助手である、マーカル・ミラルドだった。 彼が、悲鳴をあげた理由は、その場に居る者全員が分かった。 彼は、あの後すぐに立ち上がり、助手の一人である、田辺をむしゃむしゃと喰い殺した、『立花』に捕まったのだ。 「マーカル!!」アルドルが立ち止まって、捕まった助手の名前を叫んだ。 その時には既に、マーカルの右腕は無くなっていた。 立花に喰い千切られたのだ。 「た、助けてくれぇぇぇ!!死にたくッ・・・ねぇよぉぉぉ!!ぐぁぁぁぁ!!」 マーカルが、悲痛な叫び声と共に、目でアルドルに助けを求めた。 それに気付いたアルドルは、素早く目をそらした。 アルドルの中に、彼を助けると言う選択肢は、既に消え去っていた。 他の者もそうだった。 「う、うわぁぁぁ!!」 一人が耐えきれずに、走って逃げ出した。 それに続く様に、アルドルや、他の助手達も走り出した。 いつの間にか、マーカルの悲鳴が止んだのにも気付かずに。 第一の惨劇・始まり
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