プロローグ

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8月2日 午前02:48分 あの後、作業を始めた立花とアルドルは、L.D特効薬を更に改良した。 その成果を確かめるため、立花とアルドルは、改良型L.D特効薬を使って、動物実験を始めていた。 実験台は、何らかの病気にかかった、ウサギだ。 既に、投与してから、20分経つ。 ウサギは、安心した様に、眠りについていた。 「検体035番・ウサギ22は、L.D特効薬投与後、脈拍、血圧、共に安定しています」 立花の助手である、金沢 美紀子が、立花とアルドルに言った。 「ふぅ・・・今回は成功したな・・・」アルドルが、安心した様に、呟いた。 「ですね・・・」立花が、答える様に呟いた。 今の二人の中には、実験の久々の成功による、静かで大きな喜びしか無かった。 その為、L.D特効薬を投与されたウサギの僅かな変化に、誰一人として気付かなかった。 第一の惨劇まで、残り約2時間半。
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