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それでも聖歌隊席に辿り着こうと王女は墓地へ駆け出し、柩を大聖堂の中へ引きずり込んで、それを積み重ねていった…
今にも聖歌隊席に届かんばかりの高さの、巨大な柩の山ができ上がってしまった。
その時、兵士は震える声で歌いだした
『神のご加護‥‥』
恐怖のあまり古参兵の髪は逆立ったが、この哀れな兵士は、辛うじて聞こえる声で
のろのろ‥と歌い続けた。
王女が柩の山を伝って、はや古参兵のところへよじ登ろうとしていたからだった…
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