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古参兵はすぐに大祭壇の陰から出て、服を着るとぐったり疲れた体を腰掛けの上に下ろした…
朝になると、死者を運ぶ担架を担いで、仲間の兵士達がやって来た。
彼らは、勇敢な士官達でさえ太刀打ち出来なかった相手を、あんな飲んだくれにやっつけられるはずがない、と信じて疑わなかった…
だが、小礼拝堂に入って古参兵が生きているのを見て彼らは呆気にとられた。
直ちに事の次第が王様に報告され、
王様はその古参兵がどうやって死を免れたのか、とあれこれ聞き出そうとしたが…
古参兵は、あの老人の禁を守って何も話さなかった。
…そこで、王様は次の夜も同じ古参兵を見張りに立たせるよう命じた。
兵士は悲嘆にくれた
一夜のうちに、あれだけ恐ろしい目にあった同じ人間に、もう一度同じ事を求めさせるとは-…
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