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再び、古参兵は、その晩遅く小礼拝堂へ連れて行かれた…
彼は自分の罪深き魂を亡ぼすことになると怯え、そして、あの老人の良き助言をもう一度期待して
また、墓地へと逃げ出したのだった。
「今夜も礼拝堂に戻るのじゃ!」
老人は言った。
「大丈夫、無事にすむ。今度は上の聖歌隊席に隠れるがいい…
そして、階段の各段に香袋や数珠、祈祷書を置きなさい。もし王女が他の通路を通ってお前の所へ押し入ってこようとしたら、
こう歌いなさい。
『神のご加護のもとに自らを捧げる者は…』」
こうして、古参兵は再び老人の助言のとおりにした。
深夜零時になって王女が大聖堂の真ん中にとび出して来たのを見た途端、
王女がひどく飢えているのがわかった。
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