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朝になって、古参兵は解放され、その無事だったことが王様に報告された
古参兵は大聖堂での出来事は一切口にせず、次の夜もまた、その次の夜もさらにその次の夜も見張りに立つことに同意したのだった‥
「何も怖がることはない」
又しても、老人が助言した。
「これが最後の試練じゃ、今度は服を脱いで素っ裸になり、地下の納骨堂の扉の向こうに隠れるのだ!
王女が大聖堂へ飛び出して来たとき、お前が扉の陰になるようにな。
それから王女の柩に潜り込み、いかに王女がお前を驚かそうと、喚こうと引っ張ろうと静かに…
ただ、ひたすら横になっているのだ。怖がることはない、お前の身に悪いことは何も起こらないから」
古参兵は今度も助言に従い、老人の命じた通りにした…
王女は大聖堂に飛び込んで来ると、祭壇の陰も、説教台も聖歌隊席も、くまなく兵士を捜し回った。
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