121人が本棚に入れています
本棚に追加
最初の夜は、柩の側に兵卒でなく士官が見張りに立てられた。
王様は娘が死ぬ前に遺言した以上のことさえ実行したのだった…
ところが、
時計が深夜零時を打つと柩が開き、真っ赤な顔をした王女が中から飛び出した。
王女は、たちまち…その若い士官を絞め殺し、その血を貪り吸い…
そして、
大聖堂の中を暴れ回り始めた
聖壇のロウソクを折り、十字架や腰かけをひっくり返し…
聖者達の像を木っ端みじんに叩き割り、旗をずたずたに切り裂いた。
王女はまるで恐ろしい吸血鬼さながらに大聖堂の中を跳びはねたり、狂ったように踊り廻ったりし、そして雄鶏が時を告げ始めると…
ようやく、柩の中へと戻って身を横たえた。
.
最初のコメントを投稿しよう!