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古参兵は腰掛けに腰を下ろし、自分の不幸な運命を思いやった…
大聖堂から逃げ出そうものなら、銃殺は免れまい
とどまれば、肉体ばかりか、魂まで破滅に追いやられることになる。
古参兵は告解したいと思ったが、聴聞僧もいなかった…
僧を捜そうものなら、腰抜けと呼ばれるだろう…
どうしたものか、わからなかった。古参兵は従軍中の自分のもっとも勇猛果敢な行動を回想してみた。
すると、古参兵の中に喧嘩早く勇敢な剣士が目覚めようとした…と、再び古参兵は自分の罪深い魂を思ってそら恐ろしくなった…
突然、時計がゆっくりと重々しく十時を打った。
- ボーン…
… ボーン-…
その音が不気味な音を立てたので、古参兵は、ついに耐え切れなくなって小礼拝堂から逃げ出した…
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