第1話 『準備期間~開会式』

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『これより"成南高校文化祭"開会式を始めますので、一般の生徒は各自体育館へ集合してください。繰り返します―――』 放送委員のアナウンスが流れると、クラスの皆は作業を止め、廊下へと出ていく。 あたしたちも皆の後に続くように教室を後にした。 「あっ、類!」 隣のクラスから丁度良いタイミングで類が現れたので、あたしは手をブンブン振って呼び止める。 「おはよ、類」 「おはよう、みこ。葛城さんも一緒だったんだね」 「そうだよ~、みこちんと同じクラスなんだもん♪東森君、羨ましいでしょ?」 「ははは……羨ましいけど葛城さんには敵わないよ」 ちぃの攻撃に思い切り顔を引き攣らせる類。 相変わらず、ちぃのことが苦手なんだね…… ケーキバイキングに行ったあの日以来……類の中では、ちぃに対する『苦手意識』が芽生えてしまったようだ。 「ちぃ、あんま類を虐めないで。類が困ってるじゃない」 最終的には、あたしがちぃを止めることになるのがもはやパターン化しつつあった。 .
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