第1話 『準備期間~開会式』

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「いや、これ普通に危ないと思うけど……てか、鳴海は大丈夫なの?」 文化祭前の忙しい時期は鳴海と全く話せなかったから、かなり心配になる。 ちぃは鳴海と幼なじみの関係で家も近所だから、何だかんだ言って接点はあるようだ。 「うん、1年の副会長さん以外の子があんま動いてくれないって、この前愚痴ってたよぉ♪」 「あー、今期の生徒会って、鳴海とあの小っちゃい女の子以外やる気なさそうだもんね」 そりゃ鳴海も苦労するわ…… 口に出すのはアレなので、心の中で同情する。 「学校じゃ、疲れた顔見せたり愚痴ったりしないのにね」 「司くんって、ヘタレのくせに意地っ張りだから、他人に弱いところ見せたがらないんだよぉ♪」 「なるほど」 心を許した相手以外は、決して弱いところを見せずに淡々とした態度を貫き通している。 何とも鳴海らしいなと違った意味で感心した。 .
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