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それから暫くの間、ずっと文化祭の話をしていた。
その間も類は研究の手を止めることなく会話に参加してたので、色んな意味で器用だと思う。
校舎の外を眺めていても大掛かりな装飾がされているのが良く見える。
通常の授業とは違う特別な2日間。
恋人が出来てからは初めての文化祭。
これから何が起こるのか胸がワクワクするんだ。
楽しみだなぁ。
「そうだ、当番の時間とかはもう決まったの?」
突然、研究の手を止めて、類はあたしの顔を真っ直ぐ見つめる。
ドキッ……
それは先程までの真剣に研究に打ち込む姿とは違う、あたしだけを見てくれる優しい瞳。
いきなりの不意打ち攻撃にあたしの心臓が高鳴るばかり……
「ズルイ……」
自然と口からそんな言葉が零れていた。
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