第1話 『準備期間~開会式』

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きっと今のあたしの顔は赤いだろうなと思っていると、ふと頬に暖かな感触。 「……類…?えっ…」 何やってんの? と聞きたいのに、何故か言葉が出てこなかった。 今、あたしの顔は類の手によってガッチリと固定されてるから…… 「未琴」 いつもよりも若干低い声で名前を呼ばれる。 普段は『みこ』で慣れてるから、たまに『未琴』と呼ばれるとドキッとさせられるんだよね…… 「ちゃんと、僕の目を見て質問に答えて」 えっと……本当に何ですか? 幾ら2人きりだといっても、ここは学校だよ? てか、類?キャラが変わってない?? しかし、この状況から逃れることは不可能で、あたしに残された選択はたった1つだけだった。 「はい、開始から11時までになります。後は自由時間になると思います……」 何で敬語になってんだ、あたし…… .
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