躍起

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「……」 もしヤクザにバレた時の為に、バイクは茂みの中に立てておく。 エンジンをかければすぐ逃げられるという訳だ。 ちょうどバイクは黒塗りで、遠目からじゃ闇と同化してわからない。 「行くぞ」 タケルは無線をしまった。 「ああ」 俺はタケルに腕を差し出した。 おとなしくタケルは腕を組んでくる。 公私を混同するような人間ではないらしい。 「……」 うまく潜入できた。 「で?どうするんだ?」 「ボクが囮になってヤクザに近づく。お前はその間に別の部屋でも調べて取引に使われそうな場所や取引相手を確認しろ。ついでに人数確認もしといてやる」
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