綿菓子:花火:初恋

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「え?あれ?何で?」 わたわたと手を動かす私に、彼は堪えきれないように吹き出す。 いつもは微動だにしない整った顔を。 今は、精一杯シワを刻ませて。 楽しそうに。 おかしそうに。 笑う。 そんな彼を見ていたら--------、何となく、胸の辺りが疼いた。 痛いような、そんな疼きではなく、 甘く、優しい疼き------。 「面白い」 「…………へ?」 いつの間にかひとしきり笑い終えていた彼は、改めて私の方を向いて、言った。 「お前、面白い」 笑顔でそう告げてくる彼を見て、急に体温が上昇していくのが分かった。
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