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「----あぁ、雄馬兄貴のこと?うん、言ったよ」
ニコニコと笑いながら話す、勝ち気な目が特徴的な彼女----葉梨ちゃん。
意気込んで詰め寄った私に制止をかけ、悪びれもせずいきさつを語った。
葉梨ちゃんの家は鉱山の開発の仕事をしている。
鉱山の開発には火薬なんかも必要で、家にはたくさん火薬があるらしい。
せっかくの夏だから、ということで、葉梨ちゃんのお父さんが花火を作ってくれて--------要するに、花火大会というのは、そのことを指していたのだという。
「花火大会っつっても、試作を一個披露するだけだから、正確には花火付きの線香花火大会って感じかな」
「そうなんだぁ……でも、なんでお兄さんに私を誘わせてくれたの?」
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