4人が本棚に入れています
本棚に追加
決まってんじゃん、と葉梨ちゃんは笑う。
「そんなの、兄貴と捺樹を近づけるためだよ」
「はぁ!?」
「前に言ってたじゃん。兄貴と一回話したいって」
……確かそんなことも言った気が……。
でもそれは、葉梨ちゃんが彼の従姉妹だと知る前だから……
「かなり前の話じゃん!」
「カンケーないよ」
にまっと葉梨ちゃんは笑う。
「----それとも、捺樹は兄貴と話したくなかった?」
「そ、それは……」
突然の質問に、思わず言い淀んでしまう。
「兄貴、いい奴だよ」
「…………」
「しかも、まともに話してくれたんでしょ?良かったじゃん。珍しいよ、こんなことは」
捺樹のこと、気に入ったんじゃない?
葉梨ちゃんは、そう悪戯っぽく笑んだ。
最初のコメントを投稿しよう!