綿菓子:花火:初恋

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----------------------- それから暮れ方。 遊びの余興とはいえ、一応花火大会ということで浴衣に着替えた私は、近くの空き地に来ていた。 手には色とりどりの線香花火と。 手土産の、綿菓子。 「この方が雰囲気出るしね……」 そう自分に言い聞かせながらも、流石にやり過ぎたかなと反省していたら--------、 「来てくれたんだ」 「!!…………あ」 唐突に、低い声が上から降ってきて。 驚いて首をめぐらせれば、そこには彼の顔。 「葉梨の酔狂に付き合ってくれてありがとう」 「……あ、いや……」 そういうつもりで来たわけじゃないんです、と言いかけて、やめた。 何となく。 そんな気がして。 「二人ともー!!花火あげるよー!!」 遠くで葉梨ちゃんの声が聞こえ、私は思考を中断し、そちらを見る。
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