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「……母を見殺しにする事は出来ませんが、息子達を目の前で斬られるのを見るのも地獄です。
清盛様も人の親ですからおわかりになると思います。
……どうか、どうか私の最後の我が儘をお聞きください……」
常磐の声は震え、所々掠れていた。
……泣いては……いけないのに。
義朝様……、
あなたに恥じないようにしなければいけないのに……。
みるみる内に常磐の大きな目に涙が溜まる。
清盛は顎髭を撫でながら、静かに常磐の言うことを聞いていた。
それは、無限とも思える沈黙。
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