。゚常磐゚。

13/19
前へ
/1576ページ
次へ
「寒いだろう……?」 清盛の言葉の真意がわからず、常磐は首を少しだけ傾げた。 これから死ぬのに寒さなんか関係あるのだろうか。 「いえ……大丈夫です……」 「……震えている。 奥で暖まるがいい」 あたたかな言葉なんていらない。 いっそ今すぐ此処で斬り棄ててくれればもう悲しくないのに。 清盛の手を叩き、必死の思いで睨む。 罵声が飛び出すかと思ったその厚い唇から紡がれたのは、我が耳を疑うような言葉。 「……子供達も奥にいる」
/1576ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1149人が本棚に入れています
本棚に追加