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常磐の美しさは都中に知れわたっているらしく、清盛の周りでも妾にしたいとうるさい。
清盛もその気持ちはあったが、なかなか行動に移せずにいた。
どうしてこんなに意気地がないのだろう。
……嫌気がさす。
人知れずため息をもらした。
そんなただ陰から見ているだけの日が過ぎていったが、常磐は誰になびく様子もなかった。
だから清盛はどこかで安心していたのかもしれない。
例え影からでも、眺め続けていられる。
ところがそんな時、あの話が清盛の耳に入ってきた。
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