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一度は逃げたものの、母を人質にとられてしまっては見捨てる事は出来ない。
「清盛様、お願いがあります」
常磐は顔を上げ清盛を見つめる。
「私の良人であります義朝はこの度の戦で陣頭指揮をとっておりました。
敗けた今となっては罪人と咎められても致し方のないことでございます。
ですが、ここにおります息子たちにはなんの罪もございません。
私の命を差し上げますから、なにとぞ息子たちだけは……」
清盛の右眉がぴくりとあがる。
視線は外さず、常磐は続ける。
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