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小さな店だったが、マリナさんが言うには、曜日違いで15人ほど女の子が居るらしい。
私の先程までのダメージは、マリナさんの優しい言葉や対応に、少しずつ回復してきていた。
ローションなどの店で使うものと、使用済おしぼり入れや消毒、うがい液の場所など、マリナさんは一から丁寧に説明してくれた。
男性スタッフに聞いたら、どうやらマリナさんは売上No.1らしい。
…納得。
それから、衣装は店にあるものを着ても良いとの事だった。
そしてあらかた説明を聞き終わった頃、体験とはいえ私に初めてのお客がつけられた。
延長が無ければ、通常の持ち時間は30分。
そして1本幾らという世界だ。
店のドレスを着せられた私は、ドリンクを持って客のいる席へ向かった。
目眩がする。
自分は、
今から、
見ず知らずの他人のアレを…。
席に着き、客の横に座った。
「こういう仕事、初めてなんだって?ラッキーだな、俺!」
席に着くなり客が嬉しそうな顔で言った。
顔、といったが暗くてハッキリは見えにくいから、嬉しそうな声、と言うべきか。
「は、はい。宜しくお願いします。」
「まぁまぁ、さっ!もっと寄って!」
グイと体を引き寄せられ、客の顔が近寄る。
30代のサラリーマン…、かな。知り合いでない事にまずは安心した。
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