リカコ:19歳

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気がつくと私は、無心で必死に口を動かしていた。 客の息が上がってきた。 もう少し! もう少し! 早く、早く終われ! 喉元からオエッとなりそうになるのを堪えて、ひたすら舐め上げた。 先が膨れ上がり、ピクッと硬くなったと同時に口に申し訳程度に出された液体を、客に背を向け、おしぼりに吐き出す。 そして、新しいおしぼりで綺麗に拭いてあげる。 その後、簡単な会話をしてから客を見送った。 その後はバックで口を消毒し、また呼ばれるのを待つ。 こうして4時間の間に、計4人の客をこなして、私の体験入店は終わった。 店長から渡された封筒には2万と4千円が入っていた。 「どうや?頑張れそうか?」 店長が寄ってきて言った。 私は、全身の脱力感を奮い立たせ、静かに首を横に振った。 「…そおか、残念やな。また金が欲しくなったらいつでも来いよ。」 そういうと店長は、笑顔で私の背中をポンと叩いた。
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