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「話だけなら聞くわ。」
男は意外そうな顔をしてから、笑顔で頷いた。
「ただし。今は仕事中なんで。8時過ぎでもいいですか?電話するから名刺下さい。」
すれと男は、私の早口に急かされる事も無く、スーツの内ポケットからスルリと名刺を差し出した。
それを受け取り、私は足早にその場を立ち去ろうとした。
背後から、私に向かって男が言った。
「稼げますよ!必ず!」
ランチの間は、読みたかった本を手にする事なく、
男の名刺を見つめていた。
『Pub・Club
主任 中川 康久』
パブ…。
クラブ…か。
ホステスのキャッチかな。
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