それから数年後。

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あの方が来る! その知らせを誰よりも嬉しく、また悲しく受けて、あの時同様、屋敷の者達の支度に追われることに。 「すまぬ。誰か居られぬか?」 玄関で聞き慣れない声がいたしまして、庭から回りますと、立派なお侍の一行が見え、すぐにその場で平伏いたします。 「屋敷の者か?主は御在宅か。」 「ははー、只今」 御一行を床の間へ上げ、家族は一段下に平伏し、真白は閉まった襖のまだ先の縁の下、庭の砂利に直接平伏いたしました。
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