時は江戸時代、どこにでもあるようなお話にございます。

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屋敷に帰り着き、着替えを済ませ、品々をご近所へお返しした頃、家の者が帰って来て、わらわらと支度をし、その日は眠る時間も無く、夜明けを迎える。 ふと気が付くとあの青年大名の事ばかり想い、はぁ~と深い溜め息を付く。 雪奴が去った後の宴はなんとも味気なく、なんとか終わって、寝屋に入るも、雪奴のあの美しい舞が頭から離れず、隠し持った扇を胸に抱き締めて眠れぬ夜を過ごし、翌朝早くに村を出立する。 何をするにも雪奴の事ばかり想い、こちらもまた、はぁ~と深い溜め息を付く。
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