予感

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家へ入ると、ルトはただいまとだけ言って、すぐに自室に向かった。 鬱陶しい制服を着替えるためだ。 まったく、なんだってこんな物着なきゃいけないのかしら! いつヴァンパイア共が襲って来るかも分からないのに… ルトはベッドに脱ぎ捨てたスカートを見て思った。 こんな布切れの為に動けずに、犠牲者が出てしまったらどうするのだろう。 犠牲者が出てからでは手遅れだろうに。 ルトは制服とはまったく逆の、動きやすい服装に着替えた。 上はノースリーブ。 下はあまりにも短いと、両親に言われた短パン。 いくら親に、はしたないだのなんだの言われようとこちらの勝手だ。 よっぽどスカートなんかより、実用性に優れているじゃないか。 最後にブーツを履いて、これで終わり。 実際問題になるのは、この服装だと肩が出ている分、怪我をしやすい面積が多いことだけだ。 ふむ… ルトは自分の服装を改めて見る。 これは問題有りかも知れないわ… そうルトは思った。 思いはしたものの、どうすることも出来ないのだから、考えても無駄だ。 そんな結論に至り、部屋の窓から街を見渡した。 「今日も、相変わらず…」 ため息をつく。 相変わらず星と月だけに照らされた、真っ暗な世界だわ…
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