6人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
家へ入ると、ルトはただいまとだけ言って、すぐに自室に向かった。
鬱陶しい制服を着替えるためだ。
まったく、なんだってこんな物着なきゃいけないのかしら!
いつヴァンパイア共が襲って来るかも分からないのに…
ルトはベッドに脱ぎ捨てたスカートを見て思った。
こんな布切れの為に動けずに、犠牲者が出てしまったらどうするのだろう。
犠牲者が出てからでは手遅れだろうに。
ルトは制服とはまったく逆の、動きやすい服装に着替えた。
上はノースリーブ。
下はあまりにも短いと、両親に言われた短パン。
いくら親に、はしたないだのなんだの言われようとこちらの勝手だ。
よっぽどスカートなんかより、実用性に優れているじゃないか。
最後にブーツを履いて、これで終わり。
実際問題になるのは、この服装だと肩が出ている分、怪我をしやすい面積が多いことだけだ。
ふむ…
ルトは自分の服装を改めて見る。
これは問題有りかも知れないわ…
そうルトは思った。
思いはしたものの、どうすることも出来ないのだから、考えても無駄だ。
そんな結論に至り、部屋の窓から街を見渡した。
「今日も、相変わらず…」
ため息をつく。
相変わらず星と月だけに照らされた、真っ暗な世界だわ…
最初のコメントを投稿しよう!