一番目アリス~スペード~

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翌朝… 「おはよ、メイコ」 「おはよ、アラン」 端から見れば新婚さんである 軽めの朝食を済ませ、アランは街へ出かけた メイコは掃除洗濯等の家事を済ませ、森に出かけた 二人の家は『迷いの森』と呼ばれる森の入り口に住んでいた 『迷いの森』は、確かに人を迷わせるが、森の精霊たちが入ってきた場所に返す森なのだ 森を知っている人は自由に通り抜けたり、帰ったりできる だから迷って行方知れずの人はいない いつものように枯れ枝を拾い、木の実を採ると帰ろうとした 「やあ」 木の陰から青年が出てきた 「どなた?」 「僕は夢想と言います、メイコさん」 「なぜ私の名を…」 「それより周りをよく見てください」 言われるがまま周りを見た そこにはいつもの森ではなく、別の森が広がっていた 「ここはどこ? どうして私はここにいるの?」 「メイコさん、僕とゲームをしませんか」 「ゲーム?」 「この森のどこかに扉があります あなたが扉を見つけたらあなたの勝ち 見つからなかったらでられません」 「冗談はよして、早く私を帰しなさい!」 少しメイコの言葉が強くなった 「大丈夫です 勝てばいいのですから」 「…わかったわ」 「では、この剣を」 柄に赤い宝石のはまった剣を差し出した 「これは…?」 「なにかに襲われてもいいように、持っていてください それでは、開始です!!」 夢想はそう言うと消えた その時… ガサッ ガサガサ なにかが茂みにいる メイコは剣を構えた ガサッ 出てきたのはウサギだった 「もぅ、おどかさないでよ」 苦笑しながらメイコは進んだ メイコが行った後夢想の声がした サァ、イチバンメ、スペードノアリス ハヤクオノレノヤミヲサラケダスナダ アワレナヤミノジンカクヲ・・・
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