再会 thanks to meet again

2/39
前へ
/313ページ
次へ
 ――16年前  父さんに連れられて最初に行った場所は、遊園地でも動物園でも無かった。  向かった先は大きなビル。  幼い僕でも、そこが何かの会社だという事はすぐ解った。  僕と父さんはそのビルの中に入り、父さんが受付の人と二言三言話すと、エレベーターに乗った。  そしてある階で止まり、扉が開くと、父さんは何も言わず歩き出した。  僕もその後ろを黙って付いて行く。  迷路のような道をすいすい歩いていき、ふと父さんがある扉の前で足を止めた。  父さんは何も言わずに扉を開ける。  そのまま部屋の中に入っていく父さんに付いて、僕も中に入った。  部屋はある程度の広さで、大きな機械がいたる所に設置されている。  部屋の中に居た、何人かの人が僕と父さんの認め、近寄ってきた。 「ねえ、その子が例の天才少年?」  二十代後半くらいの女性が父さんに話しかけた。
/313ページ

最初のコメントを投稿しよう!

366人が本棚に入れています
本棚に追加