再会 thanks to meet again

3/39
前へ
/313ページ
次へ
 父さんは頷きながら言った。 「ああ、私の自慢の息子だ」  父さんの言ったその言葉に、僕は何かの感情が湧き出るのを感じる。  しかし、深くは考えずに僕はその女性に挨拶をした。 「どうも、初めまして。僕の名前は――」        †  清々しい風の流れる朝。  俺は、一年生の講義が始まる前の教室の扉を、勢い良く開いた。  念の為に言っておくが俺は一年生ではない。  フッ……留年なんか俺がする訳ないだろ?  得意げになりながら、教壇の位置まで歩く。  教室内はザワザワとザワつき始めた。  教壇に立った俺は、片手を一年生の前に突き出し、言う。 「まぁ、とりあえずは落ち着いてくれ」  その言葉に少しザワつきが収まる。
/313ページ

最初のコメントを投稿しよう!

366人が本棚に入れています
本棚に追加