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俺の向かう先に居るのは、この教室に来た目的である女の子。
速度を上げて、その女の子の前に着くと、俺は逃がさないように女の子の肩をガッチリと掴んだ。
「きゃ!」
小さく悲鳴を上げる女の子に俺は言った。
「デートしましょう!」
静まり返る教室。
「は……え……」
女の子は目をぱちくりとさせて俺の言葉を理解しようとしているようだった。
そこに――
「田中健一っ!! またキサマかぁぁ!!」
杉田先生が大声を上げて登場してきた。
ここの講義は杉田先生の講義だったのか……!
俺は即座に女の子をお姫様抱っこすると、教室の窓に足を掛ける。
そして杉田先生を見ながら言った。
「俺と、この女の子は諸事情により欠席します! そこんとこヨロシク!」
爽やかスマイルを浮かべ、窓から飛び下りる。
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