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「なあ、健一。最初から気になってたんだけど、この娘は誰だ?」
運転中なために前を見ながら功成に返答する。
「ああ、おれの通っている大学の一年生で、桜ノ宮姫っていうんだ。すっごい可愛いだろ?」
姫は助手席から後ろを向いて、軽く頬を染め、頭を下げながら言った。
「あの、桜ノ宮姫です。よろしくお願いします」
「ああ、こちらこそよろしく。俺は絵川功成だ、好きに呼んでくれていいから」
丁寧な挨拶に、丁寧に返す功成。
と、そこで功成が言葉を付け足した。
「健一の事だから、無理やり連れて来られたんだろ? 嫌だったら即座に携帯で1と1と0を押すんだ。社会的に抹殺してくれるからね」
なんて事言いやがる。
「だけど、事実なだけに反論やツッコミが出来ないな……」
「本当なのかよ!」
即座に入る功成のツッコミ。
ああ、このツッコミだよ……俺の周りにはツッコミがいないからなぁ……。
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