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悦に入りつつ、功成の外国に行っていた長い年月を思い出した。
「功成、今回の外国滞在長かったな。大体、四ヵ月くらいか?」
「ん? ああ、そうだな」
相槌を打ち、功成は思い出すようにして話し出した。
「いや、あっちで金銭のトラブルがあってな。まだ有ると思っていたお金が無くて、帰りの飛行機のチケットが買えなかったんだ」
姫が、うわぁ、悲痛な声を漏らす。
「それで? どうしたんだよ?」
俺は聞いた。
「ああ、とりあえずはアルバイトをした。でも泊まる所にも金を払わないといけないからな。中々溜まらなかったんだが、一週間前やっと十分な額になって、なんとか帰国する事が出来た」
大変な外国の出来事を、想い出のように話す功成。
うーん、たくましい奴め……。
半ば呆れつつ思うと、高速をそろそろ降りなければいけない場所に居る事に気付いた。
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