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本ベルの音を聞きながら、改めて心地良い緊張感に身も引き締まる。
インカムからの次の合図を待ち、フェーダーに手をかける
「ハイ5・4・3・2・1…
同時に明かりと音がステージの命を輝かせる。
一斉に盛り上がる客席。
我ながら完璧なタイミングだ。
バンドライブとは言っても、プロのバンドなら専属の音響屋も入るから、当然彼らは素人。
だけど、客席の入り具合といい、演奏のレベルといい、決して悪く無い。
この日の為に どれだけ練習してきたのか、どれほど宣伝し、どのくらい頑張って来たのかなんて、聞かなくても コレを見ればわかる。
ピンチを乗り切った安堵感とノリの良い演奏に、ホッとしてポケットから煙草を取り出し一服。甘い香りが独特のガラム。
今 一曲目。歌無しで各々の楽器ソロをピン(主に動く人に当てる照明器具の呼び方)で当てていく。インカムからは舞台からの合図の声と照明、ピン担当の了解の声がぽつぽつ聞こえている。
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