プロローグ

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読経の声が辺りに響いていた。 参列者は、岡村宏樹を含め、学生が多い。 それもそのはず、遺影に映し出されているのは14歳ほどの少女だったからだ… 死因は刺殺…彼女は不審者に男に刺され死んだのだ。 宏樹の前で、殺された 一通り終え、出棺の時間が近付く。 人々は各々花やお菓子などを入れていく。 ある者は静かに泣き、ある者は泣きじゃくっていた。 しかし宏樹は一切泣かない、感情のない表情をして、花やお菓子を棺に入れる。 彼女の死に顔は、生前と変わらず美しかった。 寝ているみたいだった。話しかけたら起きるような気がした。
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