第4章 暴走

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サトシは、然の些細な一言で完全に然達に心を開いた。剣を構え、戦闘態勢に入ると、然達に言う。 「ここは俺に任せろ。然達は下がっててくれないか?」 サトシの言葉に、一同はビックリした。ビックリしながらも然がサトシに言う 「お前…!俺達を信じてくれるのか?」 「ああ。信じる。然達は、俺を受け入れてくれたから。」 狼とにらみ合いながら然に言うと然は少し照れくさそうにサトシに言う。 「受け入れたって…、信じてくれって言っただけだぞ?」 「信じるということは信頼すると言うことと同じ意味なる。然達は俺を信じてくれている。それだけで、俺を受け入れてくれたことになる。」 (俺は死のうと思った…だが、この世界は俺にもう一度、生きるチャンスをくれたんだ…生きて現世に戻る。今はそれが目標…か。でも、はっきり言うと…戻りたくないな…) そういうと、襲ってくる狼を1匹づつ確実にしとめていく。 「つ、強い…。」 クリスとメドリがほぼ同時にサトシの戦いを見ながら言う。 「然達は俺を受け入れてくれたんだ。なら、俺も然達を受け入れる。そして、この世界も俺を受け入れてくれた。俺は、この世界を護りたい。」 狼と戦いながら然に言うと、然は嬉しくて仕方がなく、目に涙を浮かべながらサトシに言う。 「ありがとうよ!サトシ!これから、よろしく頼むぜ!」 嬉しさのあまり、サトシにそういう。サトシは狼と戦いつつも笑顔で然に言う。 「おう!こっちこそ、よろしく頼むぜ!」 サトシの笑顔に、然達がビックリする。ロムをのぞいて…。 「今…、笑った…よな?」 「ええ、笑ったわ!」 「こっちの世界に来てからあまり笑ったことなかったのに、サトシさんの笑顔、初めて見たわ!」 サトシは一度、こちらの世界に来て笑ったことがあるが、あれは気持ちのこもった笑顔じゃなかったので笑顔が好きなメドリはとても喜んでいた。 「さて、終わりにしようか?狼さん。」 そういうと、明鏡止水から授かった技を狼に使ってみる。 「光龍拳!」 光龍剣じゃなく、光龍拳。文字の通り、剣で攻撃するのではなく、拳で攻撃する技。サトシの拳が光に包まれる。その拳からは巨大な龍の姿が見えるような感じがするほどの光に包まれる。そしてその技は、最強の技へと進化するのであった…。光龍拳は殴るだけで普通のパンチの5倍以上ものパワーがある。
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