第4章 暴走

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光龍拳を使えば洞窟の 壁に窪みができるくらいの威力である。5匹とも倒したかと思うと、今度は5頭の熊が現れる。 「しつこいな。サトシ、頼めるか?」 「任せろ。」 技を試したいと言うのもあり、サトシは然の頼みをあっさり引き受ける。 「いくぞ!熊!」 今度は、頭の中に流れてくる呪文のようなものを小声で唱えた。 「赤き力、荒れ狂う炎よ、今、我に力を貸したまえ!」 サトシの回りを赤いが囲むとその炎はサトシの合図と共に熊に襲い掛かる。 「アグレッシブファイア!」 そういうとサトシを囲んでいた炎が波のように敵を襲う。ギャァァァと言う悲鳴と共に熊が倒れるが、他の熊がサトシを囲み、襲いかかろうとするが、さすがにまずいと思ったのか、メドリとクリスがサトシを助けるために熊の攻撃をくらう。 「メドリ!クリス!」 うっと言う声と共に立ち上がろうとするが、どちらも重症のため二人を然とロムに任せた。 「おい、熊、俺の大事な友達に…怪我させやがったな?」 サトシの目つきが一気に変わる。にらみつけると言うより、かなり怒っているらしく、憎しみの感情が感じられる。大袈裟だと思うがこの時、サトシはある“特定の感情”が上がると自分の力を抑えきれなくなってしまう。そうなれば口調や目つき、何もかもが一気に変わる。 「覚悟してもらうぞ!熊!」 そういい、再び技を出そうとした時だった。熊が然とロムを襲う。二人はメドリとクリスを応急処置していたため、剣を取れなかった。二人は熊の攻撃を受けてしまい、出血がひどかった。 「いい加減にしろ!お前の相手は俺だ!他の奴に手出すんじゃねえよ馬鹿が!」 憎しみと怒りの感情が一気にこみ上げてきたサトシ。言葉遣いも一気に変わる。 「よくもやってくれたな?団体なんて卑怯なんだよ!」 また怒りと憎しみの感情が増す。と同時に、だんだんサトシの様子がおかしくなる。急にサトシの頭に誰かが語りかけてくる。 (仲間を傷つけた者は許さない、そんな者には“死”しか許さない) その声は…自分だった。 (なんだ?誰だ?なんなんだよこの声は…?) サトシは声が聞こえたと同時に頭が割れそうに痛くなる。頭をおさえながら誰もいない洞窟に向かって叫ぶ 「誰だ!誰なんだよ!」 少し焦っている様子も感じ取れる。かなり頭が痛いらしく、倒れそうになるがまた声を掛けられる。
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