第5章 戦場で生まれ育った者

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相手の応答が無いことに少し焦りを感じる 「まずい。俺達の動きがばれた。」 「ばれたって今あいつらは寝ているはずだろ?」 その通り。今敵軍は眠っているはず。なのにクロードの軍が襲われた…。何が起こっているんだとクロードが言うと急にライの腕を持ち戻るぞと言い、走り出す。わかったとライも走り出す。…しばらく走っていると、血まみれになりながら倒れている反乱軍の仲間を発見する。 「死んでる…。」 息をしていないことを確認すると血の乾きで敵がまだ近くにいるということがわかり、探し出すことにする。 「いいか。絶対に無理だけはするな。死ぬんじゃないぞ。」 「わかってる。やばくなったらお前から教わった技を使うからよ!」 そう言い、二人は別々の道へ進む。クロードがしばらく進むと森に囲まれた広間のようなところに着くが、敵の気配をすぐに察知し、呆れるように敵に言う。 「それで隠れているつもりか?そろそろ出てきたらどうだ?」 剣にしては少し大きいサイズの剣を片手で持ち、一振りすると、戦闘態勢に入る。すると、それを見た敵が草むらや木陰からたくさん出てくると、クロードと同じく戦闘態勢に入る。 (数は…二百か…。余裕だな) その数に全く動揺せず、余裕とまで思っている。すると、急にクロードが挑発するように相手に言う。 「そちらから攻撃して良いぞ。俺はこのまま三秒攻撃しないでおこう。」 その言葉に敵は一斉にクロードに襲い掛かる。 (…一) 心の中でカウントダウンを始める。敵はクロードに向けて一斉に剣を向けるが、あっさり避ける。 (…二) 次々と襲い掛かってくるがクロードは余裕そうな表情で全員の攻撃を正確に避ける。 「…三。三秒経っちまったぞ。三秒経って決められなかったんだ。お前達の負けだな。」 まるで戦闘を楽しんでいるかのような口調で言うと、その後にクロードが剣を構え、 「連衝斬!」 そう叫びながら二百人の敵に突っ込んで行き、攻撃を避けながら二百人全員を一瞬で倒す。 「なんだ?もう終わりか?つまらん。」 剣に着いた血を拭き取り、先へ進もうとした時だった。 「うわぁぁぁぁ!」 誰かの悲鳴が聞こえ、とっさに自分の来た道を見る。
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