第6章 目覚め

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然が誓うようにサトシに言うと、サトシはおう!と答える。個室を出て行こうとした然達を、イラムがサトシにばれないように個室の外に出てから然達を止めると、もう一つお願いがあると然達に再び頼みごとをする。 「さっき採ってきてくれと言ったのは心草だ。精彩の森にしか生えていない貴重な草だ。もう一つ…、癒草を採って来て欲しいのだが…。」 「なんのために?」 イラムの頼みに然が首を傾げながら言うと、イラムはもしかしたら…と然の耳元で囁くように言う。 「サトシの左腕を治せるかもしれない…。」 その一言に然の表情はパッと明るくなり任せろ!と言うと精彩の森の場所を教えてもらう。と同時に狭い通路で地図を広げながらこの森は…と地図で精彩の森の場所を指さしながら然達に言う。 「軍と反乱軍の戦争があったんだ。4年前にな。」 「せ、戦争!?」 この世界ではよくあることだがこんな身近なところで戦争が起こってたなどと考えると驚き、思わず声に出してしまう。 「その…軍というのは…?」 軍が気になったのかロムがイラムに軍のことを聞くが、イラムはわからないとただ首を横に振るだけだった。とにかく行ってみようと然が言うと、イラムが待ったと然達に言う。 「なんですか?今から精彩の森に向かおうと思ってるのに…。」 少し怒り気味の口調でイラムに言うが、その言葉を無視するかのようにイラムが少し怖い顔で然達に伝える。 「もしかしたら…、まだ戦争が終結してないかもしれないぞ…。巻き込まれて死んだりするなよ…。」 脅してるかのようにも聞こえるが、まだ集結してないかもしれないと言うのも事実。だが、戦争など全く気にしないかのように然がフッと笑みを浮かべながらイラムに言う。 「その時はその時だ。俺達の運が悪かっただけのこと。俺はただ、困ってる人を助けるために行くだけだ。」 それに…サトシもなと笑顔でそう伝えるとじゃあ、行ってくるよとイラムに言い、4人で外に出る。 「戦争か…殺し合いのどこが楽しいんだろ?」 クリスが悲しそうな表情で言うとさぁなと然の言葉が返ってくるだけだった。 「そんなことより、急ぐぞ。もしかしたらサトシの左腕が治るかもしれないんだからな!」 そう言い、精彩の森に向かって歩き出すが、サトシのことを然より心配してる者がいた。
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