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しばらく少年が走っていると見える白い大きなドーム状の建物。この場所こそがデュエルアカデミアの実技の試験会場である。
「すいません。受験番号669番真田龍斗<さなだりゅうと>なんですが間に合っていますか?」
自身のデッキを持たぬ少年その名は真田龍斗という。龍斗は息を切らしながら受け付け嬢に聞いた。
「受験番号669番真田龍斗君ですか?今受験番号667番が試験中ですので真田君は次試験になります。」
受け付け嬢は慣れた口振りで、息を切らし疲れ顔の龍斗に言った。その説明を聞きながら龍斗は安堵の表情を浮かべる。
「良かった~間に合って。ありがとうございます!」
そう受け付け嬢にいうと龍斗はドーム内に駆け出して行った。
──受験番号669番真田龍斗君。至急デュエルの準備をしてください。
アナウンスと同時に龍斗が試験会場内に着いた。しかも扉をものすごい音立てて入ったため他の受験生に白い目で見られている。
「さ~て!おっ始めるか!!」
そんなことなど気にせずニコニコしながらデュエルディスクを装着しリングに上がって行く。
「君、時間ギリギリにくるとはどういうことだ?もう少し余裕を持って来なさい。」
試験官は眉間にシワをよせながら腕を組み龍斗を睨む。
「すいません!」
龍斗は苦笑いしながら頭をかき平謝りをする。
「まぁ間に合ったからいい。試験を始めよう。」
二人のデュエルディスクが電子音とともに発動し、デュエルディスクが変形する。
「デュエル」
「デュエル!」
二人が同時にそう言う。これは決闘開始の合図。真田龍斗の試験が始まる。
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