暑い日

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今年もまた夏がやってきた。 暑い夏はいつも思い出す。 悪夢のような一夜。 親友との戦い。 「どうしたの正悟?」 隣を歩く佳奈美が顔を覗きこむ。 高校を卒業して俺たちは同じ大学へと進学した。 正直あんな事件のあった後で、勉強もろくにできない俺は受験は諦めていた。 付き合い始めた佳奈美の教えを受けてなんとか二人とも同じ大学へと進むことができた。 「ああ、今日も暑くなりそうだなってね」 「そうだね、もうすぐ夏休みだし今年は旅行にでも行こうよ」 「そうだな、来年から忙しくなるからなぁ」 携帯の着メロが鳴った。 公衆電話? 今の時代に珍しいなと思いながら通話ボタンに手をかける。 これが暑い夏の始まりを告げる電話になることをこの時の俺も佳奈美も知らなかった。 そして電話の主である堂島も…
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