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……さて、冗談は置いといて……
「あ、冗談だったんですか……ちっ…」
なんで舌打ち!?
死ねってか?俺に死ねってか?
「俺は生きるっ!!!」
「さっさと撫でるです。」
いや、だからさ。
スルーは辞めよう、スルーは。
ホラ、なんか目から汗が……
†
「………なんで泣いてんです?」
「気にしないで……」
なんか知らないけど急に犬神が泣き出したです。
ついに頭がおかしくなったんですかね?
…あ……おかしいのは……犬神だけじゃないですね……
私もなんかこの間から変です。
アイツが頭なんかなでやがったからです。
私は、心が読めますから皆それを知ったら逃げるんですよね。
自分の親さえも……
結局、心を許せるのは葵だけでした。
でも、葵はあんな性格だから、甘えさせるばっかりで甘えた事なんて一度もなかった。
なのに……
『ありがとな。』
アイツはそう言って私の頭を撫でた。
その時……認めくないですけど……嬉しかった。
初めて甘えられた……気がしたから…
それと同時に初めて経験する感情が沸き上がった。
なんだろう?これは?
思考がうまく働かず、心臓が音をたてて高鳴る。
それからずっと脳裏にアイツの顔が焼き付いて離れない。
もう一度……
もう一度撫でられたら分かるかも知れない。
この感情が何なのか。
そのために………
アイツに……犬神春に頼んだ。
この胸の高鳴る理由を知るために……
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