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「こりゃひどいな…」
現場に一番に入った捜査官が悲鳴を上げた。
そこへ、橋村 貴彦を筆頭に、ストリートファイター取締班がやってきた。
「何やこれ…」
思わず、貴彦も悲鳴を上げる。辺りには、射殺された死体がゴロゴロと転がっている。
「橋村さん、捜査に来るときは私服はダメと言ったはずですよ!」
新人捜査官の齊藤 稜駿(さいとう りょうま)が非難の目で注意した。
貴彦 「ええやろ別に。 これが俺の捜査スタイルや。」
貴彦は、いかにも最近の若者的なファッションで、いつも現場に訪れる。
稜駿 「スーツとかはないんですか!?」
貴彦 「あぁ無いね! せやからこれを着てんねん。 分かったか?」
稜駿 「…ったく! アンタって人は…!」
貴彦 「で、被害者は?」
稜駿は、諦めと憤りをにじませながら、淡々と話した。
稜駿 「被害者はここの店長や主任も含め17名、フロントの女性も殺害されています。」
すると貴彦は、外にいた捜査官のほうへ向かった。
貴彦 「何かあったんか?」
「このタイヤ痕です。 おそらく、ストリートファイターの車と思われます。」
貴彦 「これは、POTENZA RE-11やな…」
稜駿 「どうしてそんな事が分かるんですか。」
稜駿がふてくされて言った。
貴彦 「元ストリートレーサーを甘く見んじゃねぇっつの。 タイヤくらい、何を履いとるかくらいは分かるわ。」
稜駿 「元ストリートレーサーを甘く見んなって、所詮は"元"じゃないですか。」
貴彦 「お前ってやつは…!!!」
貴彦は稜駿を鋭く睨み、捜査に戻った。
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