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離れていく心
あれから仕事場に朝から夜中までいる… そんな時にいつも優しく友達のように…時には父親のように怒って気にかけてくれていた上司が声をかけて来た。 何か感じとったのか「たまにはカラオケでも行くか!」と‥ 気乗りはしなかったが飲んで歌って発散するかってぐあいで「行くか~」と‥ 24時間のカラオケに仕事を早くって言っても夜の11時に切り上げて二人ででかけた 上司といっても同じ年、男だけど全く気にならない相手‥ なんだか逆に楽だった お酒に弱いという事も忘れて浴びるように飲んだ 覚えてるのは最初に歌ったセツナイ歌‥ 酔いながら耳元で囁く声が聞こえた… 「いいの?」 と… そのあとは「えっ?」と思って一瞬我に返ったが、気持ちとは裏腹にそのまま抱き着いてしまった もう引き返せない‥頭をよぎった
本当はこの人じゃない!好きじゃない! 浩志に会いたい! ‥そんなことばかり考えながら抱かれた… 若くない自分‥ 裏切られた自分‥ もしかしたら始めから裏切られてたんじゃないか… 辛い中で見つけた幸せが消えて行く… どうなってもいい‥ 浩志にも裏切られる気分を味合わせたかった‥
だけど後悔がひとつ増えただけだった
結局は男はみんな同じ生き物‥ 私の頭の中はそうインプットしてしまった それからちょくちょく誘ってくるようになった上司‥ もちろん奥さんも可愛い子供もいてる そんな事すらどうでもよくなっていく私‥
「わざと会わない」から「会えない」に変わるまで‥数ヶ月が経っていた
私の中では終わった恋‥に変わろうとしていた時‥ その日も夜中まで働いていた‥店のドアが開いて一人のお客さんが入って来た 営業中なんで気にもとめてなかった バイトの子に呼ばれるまでは‥ 目の前には大好きだった人が辛そうに私を見てる姿があった 言いたい事が‥気持ちがわかるから私も辛くなったけどわざと笑って見せた‥ 「どうしたの?」と何もなかったように笑いながら話しかけた
少し間を置いて「今日も遅い?」と浩志が聞いてきた 素直になりたいって気持ちとは逆にツイて出た言葉は「生活があるからね~ 遊んでる場合じゃないし遅いよ」‥と‥ 会えて嬉しい‥会いに来てくれて嬉しい…
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